中小企業におけるITツール導入の注目テーマ3選!

注目

昨年は、様々な業種の企業様でツールの導入支援を行うことが多かったということが、特徴的な一年でした。
通常、私は顧客管理ツールを中心に取り扱っていますが、今年はその他に勤怠管理、給与計算、会計、販売管理、コミュニケーションツールの導入が目立ちました。

中でも、インボイス対応や、電子帳簿保存法に備えたツールの緊急導入などのご相談も多かったです。皆様の中にも法令対応のためにツールを導入したという方がいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、中山自身がご支援した企業の中で、良く出てきた3つの注目テーマをご紹介します。

【テーマ1】二重入力、多重入力

例えば、下記のようなケースが見受けられました。
・勤怠管理では打刻カードを使う
・給与計算はインストール型の給与計算ツールを使っている
・会計システムは会計士に指定されたクラウドの会計ツールを使っているという会社様が複数ありました。

勤怠管理から給与計算へのデータの連携がされておらず、
給与計算から会計システムへのデータも連携されておらず、
給与計算から「印刷で」出力したデータを見て、会計システムに再入力しているという話などもありました。

どうしてこのようになってしまったのかをよくお伺いすると、導入当初の事情があるようです。
・メーカーや複合機のメンテナンス業者さんなどから勧められ、理解が不十分なまま導入してしまったケース
・急遽必要になった部分だけを優先して導入したりというケース
・会計士指定のツールが動かせないために止む無く多重入力になるというケース

解決方法は、本来は状況をお伺いしてから個別にご案内するべきことですが、敢えてここでお伝えするなら、下記のような例があります。
・APIやCSVの連携ができるのであれば使う
・会計士の指定ツールは、相談してみると意外と変更できることもあるので相談してみる
・例えば現在使っている会計ツールに勤怠や給与計算の機能があれば、そちらを使うことで二重入力が防げないか検討する

【テーマ2】助成金や補助金の活用

国や都道府県の制度で、中小企業や小規模事業者向けに様々な補助金や助成金が用意されています。
全国を対象としたものの他、都道府県の制度もあります。東京都はやはり充実しています。東京以外の事業所だからと諦める方がいらっしゃいますが、他の県でも独自の助成金制度があります。特設のWebサイトを設置しているケースもあるので、必要な会社様は確認してみると良いと思います。
ただ、多くは年度の事業になっており、既に今年度は締め切っている助成金・補助金もあります。
これからの検討の場合は、来年度の活用に向けて調べ始めるのが現実的かもしれません。

【テーマ3】データ分析のデータの継続評価

こちらは、上記①②よりも少しITの活用状況が進んだ事業者様向けの話題になります。
「KPIをとろう」「営業の活動データをとろう」という目的でITツールを導入し、レポートを設置することに成功しているケースです。
「見える化」が出来たと喜ぶのですが、実は一番大切なことはデータが見えてからどうするかです。

社長や管理職がデータを定期的に見ない、判断しないということですと、データの活用が十分できません。また、レポートを確認し施策を打つということを「継続して」実施し続ける仕組みがないと、レポートを設置した意味がないのです。
データが見える仕組みを設置する際には、そのデータをどのような関係者が、いつ参照し、施策をどのように決めるか、どう実施していくか、までをセットで設定するとよいです。

3つのテーマを紹介しました。心当たりがある事業者様も多いのではないでしょうか。
各事業者様それぞれの事情がありますので、当てはまったからといって、気にされることはありません。事例として参考にし、貴社のツール導入や業務改善活動につなげていただければ幸いです。

ITツールの導入についての課題などがあれば、是非ITC-EXPERTのお問い合わせフォームよりご相談ください。
https://itc-expert.or.jp/contact/

(ITコーディネータ 中山 幸子