中小企業が動画活用今こそ始める3つの理由

動画を活用した中小企業支援

ネット動画を取り巻く環境は数年前に比較して随分と変化してきました。今こそ、中小企業の経営基盤強化にネット動画を活用するタイミングと考えます。今日は、中小企業の動画活用について触れていきたいと思います。

1.ネット動画を取り巻く環境

1)数値で見るネット動画の活用状況

皆様の肌感覚でもお分かりになると思いますが、総務省の調査でも、これまでメディアの代表的存在だったテレビの視聴時間は年々減少傾向(7年間に約-15%)にあり、一方でネットの利用時間は上昇傾向(同57%)にあることが数値化されています。

また、同じく総務省によるソーシャルメディア系サービス/アプリの利用率調査では、全年代でのYouTubeの利用率が75.7%となっており、4人に3人がYouTubeを積極的に利用していることが明らかになっています。(総務省「平成30年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」)。

2)情報量の多さ

アメリカの市場調査会社フォレスターリサーチ社James L. McQuivey博士の発表(2014年4月)によると、動画1分間の情報量=180万言語にもなり、これはWEBページ3,600ページ分に相当するとのことです。当然動画の内容にもよりますが、同じ1分間で視聴者に渡せる情報量は、通常のテキストでの情報量とは比べものになりません。

3)環境の変化

ここ数年の動画環境の変化は劇的です。特に安価なツールが出そろい、種類が豊富になったことから、プロ仕様から初心者向けまで、自分にあったレベルのツールを選択しやすくなってきています。また、高いグラフィック性能を持つパソコンの価格も下がり手が届きやすくなってきたこと。今後も光回線や5Gなどの高速通信網の拡充により、高品質な動画データと接する機会が増えることなどが考えられます。

また、動画クリエイターが増加し、高い品質の動画を依頼しやすい環境が整ってきたことや、インターネット上には動画製作のノウハウが多数掲載されるようになったことから、自身で製作する知識を入手しやすくなってきました。

4)SEO対策

  • 動画を含むページは検索エンジンの評価に影響をもたらす説
  • 地域、検索キーワードを絞り込んだ動画配信。
  • 動線、回遊性の変化。サイト滞留時間の上昇

動画を含むページは、検索エンジンの評価に影響をもたらす可能性があります。検索エンジンのロジックは秘密ですので確実なことは言えませんが、ネット動画を閲覧することでWEBサイトの滞在時間が増えたり、ユーザーの役に立つ情報の載っているページであると検索エンジンが認識することで、SEO上も有利になる可能性はあります。

また、地域や検索キーワードによりユーザーを絞り込んでの効果的ネット動画配信や、ネット動画をWEBサイトに効果的に配置することによって動線や回遊性を向上させることも可能になります。

5)動画は資産である

一度作った動画データは何度も再生が可能です。何度も再生される環境を用意することは、露出度や認知度の向上につながります。また、動画製作で貯めた素材データは、将来、別の機会にも撮影の手間をかけずに活用することが可能です。

  • 一度作った動画データは何度も再生可能。
  • 一日でも早くネットに公開することが利益に繋がる。
  • 素材データは将来何かに活用出来る

2.動画の活用方法

動画には、次のような形で接することが考えられます。

(1)お客様への提案 
   お客様に、動画を通じて何かを手に入れて頂くための提案をする立場

(2)プロデューサー
   お客様の動画製作をご支援する立場

(3)製作
   自らの手で動画を製作する

(1)お客様への提案

ITコーディネータとしてお客様が何をお望みか、お客様の経営課題は何かを分析し、動画を活用するアプローチを考えてご提案していきます。

・売上アップ:集客、ブランディングのための動画活用 等

・業務効率化:求人、FAQ、教育、ビジネスマッチング 等

・サービス化:ECとの連動、広告収入 等

お客様の業態によっても、動画の活用範囲は様々です。製造業、飲食業、小売業・・・。製品やサービスそのものを売り込んだり、設備や技術力を紹介して協業先を探したり、現場業務の教育や技術継承などの社内のノウハウの引き継ぎなどにも活用できます。

(2)プロデューサー

動画には、実写やアニメ、CGなど様々なテイストがあり、お客様の商品やサービスを表現するにふさわしい技術を持つクリエイターと協業して、お客様の求める動画を製作するご支援をします。お客様へのご提案に際しては、予算と効果のバランスのよい成果物を製作するため、製造工程をよく理解しプロジェクトマネジメントすることが肝要です。

(3)製作

これまで動画製作に携わったことのない方は、スマホとパソコンがあれば試してみることができるので、さっそく一度触れてみることをお勧めします。プロのクリエイターがどれほどの技術とセンスを持っているかよく理解でき、相場についても納得することができます。自分自身である程度編集ができるようになったら、自社の宣伝や商品紹介の動画を自分で作って仕事に活用することも可能です。

最後に

このように多様なツール、豊富な人材、蓄積されたノウハウや素材が揃い、ネット動画を活用する機は熟してきています。動画製作に関するノウハウを身につけて、お客様の経営を強化するご提案をしていくことに加えて、自身の宣伝やお客様サービス、プレゼンに活用してみてはいかがでしょうか。

講師:中島 竜郎(ITコーディネータ)>>