日本におけるDX事例 ~「ゑびや」さんの場合~

以前、DXを説明するにあたり、わかりやすい事例としてAmazonとFacebookについて取り上げました。

今回は遅れているといわれている日本企業のDX取組を紹介しましょう。

 

その企業は「有限会社ゑびや様」です。

三重県伊勢市のおかげ横丁にある「ゑびや」はAIの活用で一躍有名になった飲食店です。来店客予測をAIで行い、経営に活かしているのです。

 

同社の商いは土産物販売と飲食がメインであり、どういうときに客が多く入るのか、どのようなメニューが喜ばれるのかということを経験上何となくは分かっていましたが当たるも八卦、当たらぬも八卦という感覚で「待ちの営業」をしていました。

しかし、売り上げがジリ貧状態になり、AIも有効性が向上してきたタイミングで、来客予想に活用してみることにしました。

通行人を定点カメラで撮影し、AIに分析させたのです。どんな人がどれくらい入店をしてくれるのか一目瞭然となりました。ここから同社の徹底的なデータ活用により、売上状態が向上しました。

この来店客予想は事業の収益率向上に役立つほか、適正仕入れによるフードロス低減、サービスを受けるまでの時間短縮による顧客満足度向上、柔軟なシフト組み換え、従業員満足度向上などの副次的効果もあります。

同社ではこの実績を踏まえ、AIによる来店予測システムを商品として販売しています。AIを起爆剤として業界自体の変革を試みるこの取り組みは、まさにDXといえるでしょう。

(ITコーディネータ 並木 政之

 

DX

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